2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

内在系 大瀧詠一

内在系と超越系で音楽を考えると色々と面白い。そして大瀧詠一はどちらか、という問題。 内在系である。が、しかしただの内在系では無い。内在系の底を突き破り超越系へと昇華させた数少ない音楽家だと言えるだろう。そして今、それを反復しようとしているの…

超越系 細野晴臣

宮台真司がナンパ本の中で、人間を内在系と超越系に分けていた。その通り!!細野晴臣は、超越系なのだ。彼の佇まい、歌声、ベースライン。それがらにここまで惹かれるのは、彼が超越系で、それに憧れる自分は超越系にあこがれる内在系だからか。いや超越系…

とあるカフェで

いわゆる自己啓発本。それを読んだ時のあの嫌悪感はなんだろうか。複雑な世界を単純化し、お手軽に理解できてしまう様な錯覚に陥らせるビジネス。読んだ瞬間はなんだかうまく生きていけそうに思える、が一週間経ったらまた別のドラック(啓発本)を身体が欲す…

終わりなき日常を生きろ

雨が降った翌日、東京の地下はドブ臭くなる。 その臭いを嗅ぎながら、階段を上る。沢山の靴が同時に音を鳴らす、前からも後ろからも音が聴こえてきて、もう後には戻れない事を知る。サーディンランの中にいるイワシと同じ気分だろうか。自分の意思ではない、…

音楽は先祖帰りの伴奏(ガイダンス)である Ⅲ

細野晴臣についてテンション高めで書いていたのだが、面倒になったのでやめる。面倒になったというより、彼の総括をしたら、なんだか寂しくなりそうだからやめる。新アルバム聴いて、ぶっ飛んだら書く。 かわりに、今耳から流れる音楽。金延幸子の「み空」の…

宮台真司「世紀末の作法」感想

彼のことは当然知っていたし、どんな本を書いてきたかも把握していたが、彼の単書を読んだのはこれがはじめてだった。95年前後に様々な媒体で書いた、短めの文章を一冊にまとめてある。核となるのは、援交、テレクラ、ブルセラ、女子高生、人妻、ナンパなど…

東浩紀「クリュセの魚」感想

僕の中の東浩紀は、ニコ生で白ワインを飲みながらブチ切れし、かと思ったらゲンロン0を書く、そんなイメージだった。はじめの30ページくらいは、そのイメージが離れず、中々小説の、火星の、世界観に入れなかった。それに本気で恋愛を書いているのだから尚更…

伊藤計劃 「虐殺器官」感想

ゼロ年代を先頭にたって引っ張るはずだった伊藤計劃。その処女作。解説、大森望より。 いま言語化不可能な読後感に晒されて、横浜の大桟橋に停泊するアメリカ船の電飾を見ている。 この作品のあらすじを書くのは野暮だろう。というかうまく書けないだろう。…

東京、その可能性の中心 Ⅰ

東京を論じた本は一体いくつあるだろうか。すぐに思いつくのは、ロランバルトの「表徴の帝国」だろう。東京論の8割にこの本の言葉が引用されると言っても大袈裟ではない。「東京の中心は無である」これほど解釈の可能性がある言葉はなかなか無いだろう。まず…

歌舞伎町的、あまりに歌舞伎町的な Ⅱ

王様はこう言った。 「この中で、今日始めての人いる?」 「はい」 「じゃあリュウくんと、女の子。2人でプレイルームに行け!」 僕は王様のいいなりになりつつ、且つ、1万円払った見返りを受けるべく、メンヘラの横に座った。もはや普通の会話ができないほ…

歌舞伎町的、あまりに歌舞伎町的な Ⅰ

歌舞伎町を眺めながら、いったい今この瞬間に何人の男達が自らの男根に血潮を集めているのか?と、想像する。それを隠蔽するかの様に、もしくは表象するかの様に、ネオンは輝く。陰翳礼讃とは歌舞伎町の事だったのだ。 世界一の乗車数を誇る新宿駅はどのよう…

音楽は先祖帰りの伴奏(ガイダンス)である Ⅱ

日本のkraftworkを探して僕はYMOと邂逅した。ちなみに日本のテクノモーツァルトは誰か?という問いに答えるならば、レイハラカミだろう。さて、前回は教授のことを書いたので、次は高橋幸弘。三人の中で一番「カッコイイ」のは間違いなく彼だろう。それはア…

音楽は先祖帰りの伴奏(ガイダンス)である Ⅰ

ドイツの乾いた電子音が、田舎の高校生の耳に届かなかったら今いったい何を聴いているだろう。 中学生の頃はイヤホンすら持っていなかった気がするから、自発的に音楽を聴き始めたのは高校生になった頃だろう。田舎の高校生には、湘南乃風を聴くか。BUMP OF …