日記007

武蔵境駅で快速東京行きを待つ。人生の大半は待ち時間である、究極は死ぬまで待っているだけだから。待ち焦がれて、待ち疲れて、待ちあぐねて、それでも待ち続ける、向こうから何ががやってくるのをただひたすらに待っている。問題は道端に咲く花がミツバチを待つように待てるかである。風に吹かれて待つことができるかである。そして、恐らく今の軽くて軽くて軽すぎる世の中でそのように生きることはかつて無いほど難しくなっている。世界が軽くなり人間も軽くなったのであれば、どこに根をはればいいか分からないからである。根をはった場所は土壌汚染地域かもしれないし、来月には再開発でコンクリートに下敷きになるかもしれない。そうなるのであればどこにも根をはらずにミツバチを待つしかない。どうやって?人工受粉か?多分違うだろうし、違うとかじゃないんだろうな、問題設定がおかしい?

わたしはわたしだけの方法でミツバチを待つしかない