神は突然やってくるⅡ

例の如く、タイトルに意味はない。Ⅱとあるのは単に前回の続きを書くからである。早速、吉祥寺で会った女子大生の話をしたいのだが、昨日と決定的に違うことがある。昨日はjazzを聴きながら書いていたのだが、今はソープ嬢と客との会話を聞いている。この彼女とはネット上で知り合った。卑猥な出会い系サイトではなく、健全な何かだ。(ネット上の男女の出会いに健全なものなどない)彼女はアメリカとのハーフだそうで、時々ネイティブな英語で話しかけてくる。九州で、日々男根と格闘している訳だが、彼女曰く、本当にセックスが好きなので、まったく大変では無いそうだ。そしてさっき電話があり、「これから仕事なんだけど通話したままにして聴いててくれない?そっちの方が興奮するから」とハツラツとした声で頼まれたのだ。断る理由はないので今こうして会話を聞いている。客はおそらく常連客で部屋に入った時から、世間話をもうかれこれ20分位している。いつプレイが始まるのだろうか。さて、耳から入る情報とは無関係に、女子大生の話をしよう。彼女ともネット上で知り合った。色々と話している内に、妙に話が弾んだので一昨日、吉祥寺で実際に会うことになった。ネットで話している中で話が弾んだ話題は一般的な男女はあまり話さなそうな話題ばかりだった。例えば、タイ語、東南アジア、哲学思想、jazz、小林秀雄、世界情勢、彼氏が勃起不全…勃起不全以外は、初対面の男女が話す話題ではないだろう。ところで今イヤホンの向こうでは、映画の話をしている。本当に風俗なのだろうか…一定のリズムでパンパンと音がするので、もしかしたら手コキしているのかもしれない。ソープ嬢が色々と話して、それに対して男性客(50代くらい)が禅問答のようにズバズバ回答している。意外と興味深い話をしているので思わず聞き入ってしまうが、惑わされずに話を進めたい。と思っていたが、ソープ嬢の喘ぎ声が聞こえてきたのでここからは実況という形にシフトすることにした。

相変わらず世間話と喘ぎ声が交互に繰り返されていく。シャワーの音がしてきたのでこれからが本番なのだろうか。ここで歯磨きの音がしてきた。二度ほどソープに行ったことがあるが、歯磨きをしている時だけ妙に冷静になる。湯船にお湯を溜める音が爆音で鳴り響く。音だけで状況を把握するのはなかなか難しい。客がマッサージをはじめた。ソープ嬢は「いたっいたたたたた」と笑いながら叫んでいる。ちなみに彼女の日本語はハーフだと言われない限り、まったく日本人そのものだ。煙草休憩。戻ってきたが、展開はほとんど変わっていない。流石に50代というだけあって全く焦っている様子はない。これが50代と風俗の楽しみ方かと、尊敬の念まで抱いてきた。先ほどから彼の言うことは(全く同意できない話ばかりだが)確信だけはもって話しているので、ただ歳を取るだけでもこうなるのかと、関心する。会話が突然なくなった。彼女の喘ぎ声も聞こえないのでフェラチオをしていることは確実である。しかしこんなことを誰も見ていないブログとは言え悠々と書いていいのだろうか。ここで彼女の喘ぎ声が聞こえてきた。男がどこかしらを舐めまわしている。先ほど、日本語は日本人そのものと書いたが、喘ぎ声だけはアメリカ仕込みである。日本人の喘ぎ声とは声の伸びが全く違い、部屋の隅々まで響いている。ただ、純粋なアメリカ人の「oh …yes!」みたいな感じでは無いので萎縮する程ではない。水の音がするので、浴槽につかりながらお互いを舐めあっているようだ。浴槽から上がりベットに向かうような音がする。ずっとそうだがこの男性はうんともすんとも言わないので何をしているのか把握するのが難しいが、おそらく本番が始まっている。かすかにベットが軋む音がする。5分ほど同じような音が繰り返された後、ベットの音が大きくなり彼女の喘ぎ声も大きくなる。もはや予想していたが、男性は何も言わずにゴールインしたようだ。そしてまたすぐに世間話。何分コースか分からないが、このまま世間話で終わりそうなので実況は一旦やめる。途中トイレに行ったり食器を洗ったりしていながら、ずっと聞いていたが、人は非日常的なことをしている時、案外冷静になれるものだ。 

吉祥寺で女子大生と会った場所は上島珈琲店だった。喫煙席でたばこを吸いながら彼女をまっていると、一時間程遅れると連絡があったので近くの本屋で「面白いほどよくわかるジャズのすべて」という詐欺師まがいの本を買って読むことにした。彼女はjazzギターをやっているそうなので会話の掴みとしてjazzについて急いで予習していた。以前からjazzを聴こうと意気込んでいたのだが、田舎の性分なのでうまく聴けなかった。jazzは始まりが面白い、その本によるとjazzはアメリカのニューオリンズで誕生し、初のjazzレコードは1917年に完成してそうなので今年はjazz誕生から100年らしい。そして、黒人奴隷とフランス人の混色人種クレオールが始めた音楽らしい。(実際はもっと複雑)黒人奴隷というのは人類史上もっとも悲惨な歴史かもしれないが、そこから生まれたというのはjazzにとって大切なことな筈だ。そもそも豊かな文化はダーティな場所からしか生まれないからである。白熱電灯に照らされた会議室では文化なんて到底生まれ得ない。そんなことを考えていたら彼女が到着。真っ黒の服に赤だかオレンジのバックをもってきた。見た目は少々やさぐれていたが普通の女子大生だった。そこで軽い初対面トークやjazzの話をしてから彼女が好きな居酒屋へ移動することとなった。ここで「神は突然やってくるⅢ」を書くことが決まった。次回は彼女との話だけを書くことになる筈である。神が突然やってこなければ……